分析料金(税込)

1.土壌化学分析

基本セット11項目(注1) 6,600円
水田用(鉄+ケイ酸) 1,650円
微量要素一斉分析(注2) 6,600円
微量要素個別分析
鉄,ケイ酸,マンガン,銅,亜鉛 各1,100円
ホウ素 3,300円
全炭素・全窒素分析(T-C,N) 5,500円
可給態窒素分析 3,300円

注1 EC,pH,CEC,石灰,苦土,加里,りん酸,りん酸吸収係数,アンモニア態窒素,硝酸態窒素,腐植

注2 鉄,ケイ素,マンガン,銅,亜鉛,ホウ素

* 微量要素のみの分析は受け付けておりません。

2.菌相分布の測定
16,500円

3.土壌硬度計(物理性の測定)
現地に調査員を派遣するため交通費、人件費等が掛かりますので、別途お問い合わせください。

4.放射能検査
8,800円
詳細はお問い合わせください。

土壌分析項目と測定法

土壌化学分析

項目 分析法
EC(電気伝導率) 土壌環境分析法V.4 (白金電極法)
pH(水素イオン濃度)H2O(1:5) 土壌環境分析法V.1 (ガラス電極法)
CEC(塩基置換容量) 土壌環境分析法V.6 (セミミクロ Schollenberger変法)
CaO(交換性石灰) 土壌環境分析法V.7.A (原子吸光法)
MgO(交換性苦土) 土壌環境分析法V.7.A (原子吸光法)
K2O(交換性加里) 土壌環境分析法V.7.A (炎光法)
石灰飽和度 CEC値及び当量値より換算
苦土飽和度 CEC値及び当量値より換算
加里飽和度 CEC値及び当量値より換算
塩基飽和度 各飽和度の総和より算出
P2O5(有効態リン酸) 土壌環境分析法V.12.A (トルオーグ法)
リン酸吸収係数 土壌環境分析法V.11.A
項目 分析法
NH4-N(アンモニア態窒素) 土壌環境分析法V.9.B.b
NO3-N(硝酸態窒素) 塩化アルミニウム抽出&紫外分光法
全炭素・全窒素 土壌環境分析法V.8(乾式燃焼法)
可給態窒素 畑作土壌 80℃16hrs水抽出&TOCより換算

水田土壌 絶乾土水振とう抽出&TOCより換算

腐植 土壌環境分析法V.17.A (熊田法)
Fe2O3(遊離酸化鉄:水田) 土壌環境分析法V.17.A(o-フェナントロリン法)
Fe(可給態鉄:畑) 土壌養分分析法16.1(原子吸光法)*注
SiO2(有効態ケイ酸) 土壌環境分析法V.17.A (モリブデン青法)
Mn(交換性マンガン) 土壌環境分析法V.17.A (原子吸光法)
B(ホウ素) 土壌環境分析法V.17.A & ICP発光光度法
Cu(可給態銅) 土壌養分分析法19.3(原子吸光法)*注
Zn(可給態亜鉛) 土壌養分分析法18.3(原子吸光法)*注

*注:pH4.5酢酸アンモニウム抽出

土壌菌相分布の測定

各生産者の畑の土壌から栄養分を取り出し、寒天培地をつくります。
その培地に土壌の希釈液を培養します。培養された菌は一般細菌・放線菌・糸状菌の3つに分類し、さらに土壌1gあたりの総微生物数を計数します。

土壌分析例

土壌分析試験報告書例

化学分析結果の見方

分析項目の単位の多くはmg/100gになっていますが、これは作土を10cmとした場合に1反歩当たりに何kgの成分が含まれているかを表しています。
例えば石灰が300mg/100gと分析シートに記入されている場合には、その圃場では1反歩当たり300kgの石灰が入っていることになります。

EC、pH

EC,pHからは次の事が大まかに把握できます。
高pH低EC石灰が多い。
高pH高EC肥料過多
低pH低EC肥料不足
低pH高EC窒素肥料過剰
また、ECは窒素肥料の残留量と密接な関係があり、ECが1mS/cmの場合には硝酸態窒素が20 mg/100g残留しているといわれています。

CEC(陽イオン交換容量)

CECは土が石灰などの塩基類やアンモニア等の陽イオンを保持する力を表しています。
この数値が大きい程土が塩基類などを多く保持できるという事になります。

鉄(Fe2O3)、ケイ酸(SiO2)

鉄は欠乏する事はあまりありませんが、塩類が集積した場合等でpHが高くなった時には吸収が阻害される事があります。また稲の場合は遊離酸化鉄が0.8%以下の場合酸素不足になり、硫化水素が発生しやすくなります。ケイ酸は10mg/100g以下になると欠乏し、稲の場合では倒伏などが起こりやすくなります。

マンガン(Mn)、ホウ素(B)

マンガンは葉緑素生成や光合成に関係します。欠乏すると、光合成速度が低下し、イネ科植物やみかんでは新葉が黄化し壊死します。
ホウ素は窒素の代謝、カルシウムの吸収、糖分の移行に関係しています。欠乏すると、生長点が止まり、枯死します。逆に有効態ホウ素が6ppm以上になると発芽阻害が起こりやすくなります。

腐植

腐植の適正値は3%以上となっています。堆肥やボカシ、稲わらなどを施すと増えますが、土の深さ方向にも充分に施す事が重要になります。

塩基類及び飽和度

火山灰土壌での塩基類の適正値は大まかに次のようになっています。(果菜類)
石灰(CaO)300~450mg/100g 苦土(MgO)30~50mg/100g 加里(K2O)20~35mg/100g。
砂質土壌では、石灰(CaO)100~200mg/100g 苦土(MgO)20~30mg/100g 加里(K2O)15~25mg/100g。
しかし、実際には圃場にはそれぞれ差があるために、より圃場の土に合わせた肥料の残留量を知る必要があります。塩基飽和度はその圃場のCECに対してどの程度塩基類が入っているかを求めたものです。石灰飽和度、苦土飽和度、加里飽和度は石灰、苦土、加里がCECに対して何%入っているかを表し、それぞれの合計を塩基飽和度といい、塩基飽和度が100%を越えている場合には土が保持できない程の量の肥料分が入っていることになります。CECが20以上ある圃場の場合塩基飽和度は80%が良いとされ、CECが15未満では作物が必要とする量の塩基類などを保持できないために塩基飽和度を100%以上にしたほうが良いといわれています。

リン酸(P2O5)、リン酸吸収係数

リン酸はだいたい50~100mg/100g程度入っているのが良いとされますが、やはり圃場ごとに土がちがうために土に合わせたリン酸施用量を求めるためにリン酸吸収係数があります。リン酸は、リン酸吸収係数の5~10%を施すようにするのが良いとされます。例えばリン酸吸収係数が1000の圃場ではその5~10%、50~100mg/100gがその圃場のリン酸施用量の適正値となります。しかし、リン酸は多くの圃場で過剰になっているのが現状です。また、最近ではリン酸過剰がアブラナ科の作物の根瘤病を発生しやすくすることが解ってきました。

窒素類

アンモニア態窒素(NH4-N)が多い時には未熟な肥料を入れた場合が多くアンモニアガスが発生するなどの害がでる場合があります。アンモニア態窒素は5mg/100g以下が良いとされています。
硝酸態窒素(NO3-N)が多い時は肥料過多の場合が多く、多量に残留すると作物が苦土や鉄などの成分を吸収できない事があります。また、ECが2mS/cmを越えると作物の生育が阻害されるともいわれています。硝酸態窒素は水に流れやすいので、多い場合には灌水量を増やす等の対策を取ると良いとされています。通常硝酸態窒素は15mg/100g以下が良いとされています。